2005年8月23日
登場する地:室戸岬(高知県)
旅ことば:精神一到何事か成らざらん・・・精神を集中して努力すれば、どんなことでも成し遂げられないことはないということ。
室戸岬は海岸段丘の好例地である。海岸段丘とは土地が隆起するたびに波に削られ、それが繰り返されることで段々のようになる地形を言う。室戸岬の場合は先がとがっていて、いわばショートケーキのスポンジ部分だけ、ちょっとずつサイズを小さくしていって3段ほど重ねたような形と言えるだろう。
その一番上のスポンジに立つ灯台まで上ってみたのだが、そこまで上がるのに肝を冷やした。スポンジとスポンジの段差にカーブを描きながら道路をかけているが、歩道の幅が50センチほどしかなく、手すりも腰のあたりまでで、手すりの向こうは遥か下に地面があるばかり。のぼればのぼるほど地面が下に遠ざかっていくという、高所恐怖症の人は足がすくんで恐らく一歩も進めなくなるくらい、スリルのある道を通るはめになった。この体験のお陰でだいぶ度胸がついたように思うほどだった。「あの道を通れたんだから何だって恐くない!」と。
灯台のところまでくると、やっと室戸岬に来たのだという感慨が湧いた。変なことを言うようだが、海岸段丘を味わいつつ、海岸線や室戸の町を見下ろしていることで気持ちが収まった感じだ。まだ上があるようだったので向かおうとしたが、無情にも雨が落ちてきてしまい断念。一番したのスポンジにある案内所まで急いで戻り、濡れたシャツを取り替えるなどしてそのままバタバタと室戸岬をあとにしたのだった。
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