2005年8月21日日曜日

旅日記-四国一周に行きたい5<阿佐海岸鉄道>


2005年8月23日

登場する地:海部(徳島県)、甲浦(高知県)、室戸岬(高知県)

旅ことば:朝顔の花一時(はなひととき)・・・物事の盛りがきわめて短期間であってはかないこと。


旅館での朝食はごくごく普通だった。夕食がすごかったのでどんなのがくるかと思っていたが、白ごはんに卵に海苔にとシンプルなものであった。おいしく戴き、いよいよチェックアウトとなって気になるのはお値段であったが、七千円台とこちらもごくごく普通のものだった。旅は始まったばかりであり、少し胸を撫で下ろした(心のなかで)。そして最後に旅館の読み方を女将さんに聞いた。「生本(いくもと)旅館」様には大変お世話なった。

さて、室戸岬に向かわねばならない。まずは鉄道で行けるところまでいく。海部駅から先は第3セクターの阿佐海岸鉄道をゆくが、これは2駅しかないのですぐに着いてしまう。終着駅は甲浦(かんのうら)という駅だった。駅の待ち合いで地元のおばさん二人の会話を聞いたところ、以前はJRが甲浦まできていたようだ。しかし経済の血流は地方の先端では十分に巡ってはいないのである。厳しい側面を見せつけられた。

しかし阿佐鉄道は独自の建て直しを図っている。このときは車内に風鈴を吊って風鈴鉄道を企画していた。このような試みでどうか型にはまらず大いに盛り上げ、どんどん血流を循環させてもらいたいと思う。

室戸岬ゆきのバスまで1時間半の待ち。都心にいれば長く感じるだろうが、この四国の隅にいることを考えれば奇跡的に有り難い早さだ。本を読んだりしていれば割りとすぐに時間は経つ。そしてとうとう室戸岬へゆくバスに乗り込んだ。乗客は僕を入れて2人。少しの不安と少しのワクワクを乗せて走り始めた。

1時間ほど揺られただろうか、あまり外の景色も覚えていない。さほど乗客も乗り込まない。単調な時間はうとうとと記憶を空白にしてしまう。わかったことは、交通機関に乗れば、気がついたときには遠い場所に来ているということ、そして遠くなるに従ってお金もかかるということ。バスの運賃箱に千円札といくらかの小銭を入れて終点の地、室戸岬へと降り立った。


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