2005年8月21日日曜日

旅日記-四国一周に行きたい3<海部>

2005年8月22日

登場する地:海部(徳島県)

旅ことば:晴耕雨読・・・世間のわずらわしさから離れて、悠々自適の暮らしを送ること。

生本旅館

室戸岬の付け根に来ている。JR線は海部(かいふ)駅というところまでで、そこから先の阿佐鉄道は2駅しかない路線であり、さらに先に進むためには鉄道以外を使うしかない。フェリーで着いた当日に行けるところまで行き、宿泊施設も問題なくありそうだったのが海部という町だった。

町の印象は、こじんまりとした漁師町ではあるが寂しい感じでもなく、町の構造なのか家々の構造なのかわからないが全体的にほのかな明るさを感じる。暖流が南から運んでくる暖かさのせいかもしれない。北国では感じられない、皮膚感覚の明るさであり暖かさなのだと思う。

駅の案内板で旅館を探し、ともかく実物を見てみようと歩き出した。このころ、僕は電話予約というものを軽くみていた。旅館側にとっては食事や風呂の用意をしなければならないのだから極力予約はすべきである。そんなことさえ僕は考えられない人間だった。それはともかく、旅館の前まで10分くらいで到着した。

ところが、ずいぶん敷居が高そうな旅館がそこにそびえていた。玄関の造りも立派で、これは相当いい値段がすると思い即刻断念した。気持ちも萎えていたところに、向かい側にも1軒の旅館があった。ごく普通の旅館の構えであり、凡庸な僕にもちゃんと敷居を下げてくれている。しかし、自転車を置いた玄関は開けっ広げでどうにも客人に対して油断しているような雰囲気がある。営業しているのだろうかと一瞬訝しんだが、生本(いくもと)旅館という看板はちゃんと掲げられている。娘さんらしき少女が丁度良く現れ訪ねてみると、屋敷の奥へと走って消えた。ちょっとして主人らしき人が出てきてようやく宿泊という目的に向かって動き出した。

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