2005年4月30日土曜日

旅日記-みちのく本州最東端に行きたい11<本州最東端>


2005年5月3日

登場する地:トドヶ崎(岩手県)


「トド」という字はなかなか難しい。魚偏に毛を書くのだが、変換ではほとんど出てこない。この旅日記ではカタカナ表記にしておく。本州最東端はこのトドヶ崎という、岩手県の太平洋岸にあり、大海に向かって斧の刃のように突き出た一角である。

浄土ヶ浜から車で行けば近いだろうと思っていたが、1時間以上かかってしまった。トドヶ崎は断崖絶壁の地で、山登りのようにジグザグと狭い道が続いたためでもある。やがて最東端までの入口があり、そこからは徒歩でいかねばならない。そしてこれまた長い時間、1時間ほども歩くことになった。本州最東端は遠い場所にあるのだと実感した。

ただ、道なりの景色はすばらしく、赤松の間から時おり見える青い海が疲れを吹き飛ばす。様々な鳥の声が聞こえ、波の音が聞こえ、気持ちも清々しくなっていった。そしてついに到着した。何度も言っているが、本州の最東端である。


立派な石碑が置いてある他は岩だらけで、荒々しい景色が広がっていた。できる限り海べりに近づく。立っている場所は断崖絶壁で、海面から何十メートルあるだろうか。柵なんてものはなく、天使になろうと思えば簡単になれそうだ。但し会場には巡視船のようなものが常時漂っていたが。

雲ひとつない快晴。本州最東端。太陽は真っ正面にたったひとつ。僕はずいぶん長い時間、岩に腰をおろして太陽と向かい合わせに海風を受けていた。今、本州の最も東の陸地にいるのは僕である。これは紛れもない事実であった。

誰にでも唯一の存在になれる。

このとき僕はそう悟ることができた。たとえどんな場所・状況であれ、真理というものは変わらない。だとすれば唯一無二は誰の中にも存在しうるのだ、と。

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