2004年9月18日土曜日

旅日記-紀伊半島・本州最南端に行きたい11<新宮>


2004 年9月21日

登場する地:新宮(和歌山県)


新宮には不思議な川がある。熊野川である。山深い森から遥かに流れ来て新宮で熊野灘に注ぐ。

僕はこの新宮市を通る熊野川の一部分を見たにすぎないが、なんとも美しいターコイズブルーを湛えていたのが強く印象に残っている。思わず広い河原へ降り、水際までいって手を浸してみた。丸く平べったい石が河原から水の中までびっしりと敷き詰められ、水の美しさがより鮮明さを増していた。なんだか黄泉の世界に降りたってしまったような気になった。

熊野川の汀の崖上には新宮城跡がある。そこから見ると海から荷物を載せて川を上ってくる船を監視している気分になる。当然、殿様がいた頃にはそういう役割の者が立っていただろう。

日本は長い間戦国の世を過ごした。城を中心にして町がつくられた場合が多いはずだ。この頃から城を訪れてその町を想うという楽しみが僕の身に付いていったと思われる。

ちなみに、この稿の前後で頻繁に登場する「新宮」と「熊野」について、「新宮」といえば新宮市のことを指し、「熊野」といえば新宮市を含めた広い範囲、いわば熊野地域を指すことを言っておく。

新宮城跡(新宮市観光協会HPより)

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