2005年8月21日日曜日

旅日記 - 四国一周に行きたい14<四万十川>

2005年8月25日

登場する地:四万十川(高知県)

旅ことば:深い川は静かに流れる・・・分別のある人や思慮深い人は、ゆったりとしていてやたらに騒がないということ。また、中身がある人は悠然としていて、出来ていない人ほど騒々しいものだということ。


四万十川は、「最後の清流」と呼ばれている。

中村まで帰る途中、四万十川に寄った。四万十川は高知県の西部を流れる一級河川である。バスの運転手さんに聞いて甲ヶ峰という停留所で降りた。ここが四万十川に近い停留所だなんて、聞かなければ絶対わからない・・・。

この時期、1時間おきに屋形舟が出ているというので乗ってみることにした。14時出発のにギリギリ間に合った。しかし乗ったのはワゴン車。おや?どうやら舟着場まで少し距離があるらしい。なるほど。同じ舟に乗ったのは10人ほど。舟の舳先で靴を脱いで席に着いたような記憶がある。

四万十川の水面が目の高さにある。暑い日だったがエメラルドグリーンの水面を滑りゆく風が気持ちいい。海か湖かと思えるほど川幅は広く、深さも深いところでは20〜30メートルにもなる。鮎漁の実演もパックされているようで、漁師さんの舟に近づき網投げをしばし見学。きれいな円を描いて網は着水、漁師さんがゆっくり引き上げるも残念ながら何もかからなかった。ちなみに漁師さんは20歳くらいの若い男性だった。


僕が乗った舟のガイド兼船頭さん「てっちゃん」は、四万十川についていろいろ教えてくれた。台風の重要性(水かさが増すことで川がきれいになる!)、ウナギ漁の方法(例えば夕立ちに流される虫を食べるために川壁から顔を出しているウナギを捕まえる方法)、子どもの頃に川幅600メートルを泳いで渡ったこと、漁師になろうと外からやって来ても長続きしないこと、それなら青海苔漁のほうがまだ何とか続けられるということ、etc。とにかくてっちゃんにとっては四万十川が人生でかけがえのないものになっていることが充分に伝わったひと時であった。

舟を降りて昼食。特製弁当にはウナギ、川エビなど四万十川特産の品々が詰まっていた。中でも青海苔がなんとも言えず美味で、後でお土産で買わなかったことを悔やんだくらいだった。また、四万十川ではアカメという魚が獲れる。目がルビーのように赤い魚だ。しかも大きさは小柄な女性ほどにもなる。大きな四万十川ならではの魚だ。アカメ館というところで水槽にいる実物を見れたり釣り上げられた写真などがあるので訪れてみてほしい。

帰りのバスを待つ間、大量の羽虫が地面に落ちているのを見た。近くにいた交通整理のおじさんがカゲロウだと教えてくれた。大自然の四万十川では、人間の敷いた道路に関係なく生命の循環が大きな水車のように回り続けている。

手記の日記には四万十川のくだりの最後にこう書かれていた。「ああ、面白かったなあ、四万十川。」率直な感想が滲み出ていた一文だったのでそのまま記載しておく。

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